スノーボードにホットワックスをかける その1(導入編)
先日購入したスノーボード用ホットワックス(過去記事参照)。こちらを使ってボードにワクシングをし、実際に滑走してきました。導入編ではホットワックスそのものについて、そして実践編ではかけ方と滑り心地を書いておこうと思います。
スノーボートは磨耗する
スノーボードやスキーの板は雪面を滑走するための道具ですから、使っているうちに磨耗します。したがってなるべく摩擦を少なくした方が長持ちするだろうというのは当然の発想です。また摩擦が低下すると、速度も出やすくなるのと同時に、ひっかかりにくく操作しやすい、安定した走行状態を保ちやすくなります。大事な板を購入した場合には、性能を維持しながら長く愛用するためにも、きっちりとワックスがけなどの手入れをしておくことが善策ということになります。
そもそもワックスとは
ワックス(wax)は日本語で言えば「蝋(ろう)」、ロウソクのロウです。家具や革製品などにも、つや出しや保護の目的で使用されることがありますが、ここでのワックスは、保護に加えて「潤滑剤」としても機能します。板の滑走面にワックスをかけることで摩擦を減少させる効果があるということです。ワックスにも色々あり、有機溶剤で溶かれた常温直塗りワックスもありますが、現在最もよいとされているのが、熱で溶かした液体のワックスをかける、ホットワックスという方法なのです。
ホットワックスの何がいいのか
皆さんもご存知のとおり、ロウソクは常温では固体です。そして熱を加えることで液化します。当然ワックスも同様です。したがってワックスのかけ方としては、
- 固体をそのままこすりつけて塗る
- 何らかの溶剤に溶かしてから塗って乾かす
- 熱を加えて液化させて塗る
の3通りが思いつきますね。1の固体を塗る方法では、当然ですがむらなく塗るのはほぼ不可能です。そして板の滑走面は実は細かい筋の入った構造をしていますから、この間にまでしっかり届かせるのは難しいです。2の溶剤を使う方法では一般に石油系の溶剤を使用しますが、当然他のものに溶かすのですからワックスが薄まります。また石油系の溶剤というのは体にも害がありますし、その溶解力からボードの素材そのものに対しても劣化させない保障はないと私は思っています。したがって3の熱で液化させるというのが最適解、ということです。もちろん熱も板にはいい影響を与えませんから、注意する必要はあります。しかしワックス100%の液体を直接板に吸わせることによる効果はかなり大きいはずです。