ぱらのからの - from PARANO -

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冬場になると木に巻かれる腹巻みたいなアレ

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菰巻き(こもまき)

"アレ" シリーズ第2段は、冬になるとよく見かける木に巻かれた藁の腹巻。今日大学を歩いていると、学内の木にもこの腹巻が施されていました。(写真は大学のものとは違います)

 

寒さ対策なのかなぁと勝手に思っていましたが、自信が無かったので少し考えてみました。

 

寒さ対策にしては範囲が狭い・・・

理系であるというステレオタイプにあやかって、まずは仮説を立てましょう。もしこの腹巻が人間の腹巻と同じなら、これは防寒具ということになります。しかし、木のサイズにしては狭い範囲しか覆われていませせん。果たしてこれで防寒できるのか。

 

人間には内臓があります。そしてそれらは腹部に集中しています。したがって腹部を温めることには大きな意味がありそうです。また人体は血液が循環するため、腹部だけでなく全身を、温められた血液が巡ります。

 

一方樹木には内臓がありません。体液の循環もありません。強いて言えば地中の水分を上部に運んでいるくらい。これでは腹だけを温めてもあまり意味はなさそうです(そもそも腹なのか?というか樹木に防寒いるのか?)。

 

答え合わせ

考えても分からないので調べました。結論から言って、あれは腹巻ではありませんでした。「こも巻き」というものだそうです。

dictionary.goo.ne.jp

 

実はこの巻かれた藁の中には、害虫たちが寒さを凌ぎに入ってきます。そして春になって虫たちが活動し始める直前に藁をはずし、藁ごと焼却することで害虫の駆除を行うんだとか。そういう伝統の知恵だったのです。

 

私はてっきり「真冬に雨風晒しじゃ寒かろう、腹巻をお巻きよ。」と、地蔵に傘をかぶせるよろしく、動物のみならず植物や物にまで愛を注ぐ日本人の心の美しさの表れだと思っていたのですが、実態は間逆でばっちり動物殺生のための道具でした。

 

なんだか、ちぇーって感じです。笑